「位置取り」を初心者にどう説明するか

こんにちは、パワポです。

記念すべき最初のテーマは「位置取り」です。

ボンバーマンで位置取りはとても大事。
ってよく言いますけど、改めて考えると「位置取り」とは何なのか、なかなか答えにくいものがあると思います。
こういうのをなるべくクリアに言語化したい。自分のためにも、そしてこれからガチっていくぜという人のためにも。

先日の配信内で、くるぶしさんと「位置取りを一言で言うと何か」という話になってそれから最近少し考えたので、書いてみます。

※基本的に1vs1、ギンギンパワーを想定しています。

位置取りの定義

私がなるべく短くかつ厳密で漏れの無いように「位置取り」を説明するなら以下のようになります。

「対戦中における、ステージの形、他キャラやボム等の各オブジェクトの配置、及びそれぞれのボムの経過時間といった諸要素の総合的な関わりの中で捉えられた、各キャラの立っている位置、あるいはそれを考慮した動きを指す用語。この語が使われるとき、その良し悪しや有利不利が見積もられていることが多い。」

うーん…

意味わからないですね。この定義は一旦放置しましょう。

そもそも、「位置取り」という言葉が何を意味しているか全く分からん、という人などいないと思うのです。
なぜなら位置取りって根本的には日常語と同じ使われ方なので。
「位置取り」がピンとこなければ「位置」でもとりあえずいいと思います。

位置取り=位置。終わり。
では説明にならないので、もう少し書きます。

本当にみんなが知りたいのは、「位置取りとは」ではなく、「良い位置取りとは」のはずです。
そして、「良い位置取りとは勝ちやすい位置にいることである」みたいな言い換えじゃなくて、盤面の具体的な形から各位置の「良さ」を導出できるような、判定システムが欲しいのだと思います。

例えば野球で実況の人が「いい打球だ!」と言うとき、打球の速さ、方向・角度、相手の守備の位置との関係…などの要素を総合して、一瞬で「良い」と評価していますよね。
ボンバーマンでも同じで、ある程度経験を積むと、その瞬間瞬間で「良い」位置にいるかどうかということが(ある程度は)パッと評価できるようになってくるはずです。
そして大事なことは、ステージの中央か辺か隅かという絶対的な座標情報だけでなく、相手キャラやボム(など)との関わりでどこにいるかという要素も含めて「良い位置」かどうかが決まるということです。

さて、具体的な位置取りの良し悪しの判定方法の前に、次の疑問がありうると思います。

ってか位置取りってそんなに大事なの?

大事です。
突き詰めて考えれば、位置取りは、全てとは言いませんが、勝負の大部分を占めるようになるというのが個人的意見です。
というか、位置取りが大事にならないとしたら他に大事になるものが考えにくい(よって位置取りが大事のはず)、が正確かな?
あくまでも、「突き詰めれば」ですが。

そう思う理由とは…

シンプルに、ボンバーマンには位置取りしか無いからです。(突き詰めれば。)

ちょっと例え話をしてみます。
スマブラってあるじゃないですか。(知らない人はごめんなさい)
あのゲームの、試合中のスクリーンショットをたった1枚だけ見せられて、「この試合はこの後どっちが勝つと思う?」と聞かれたら、どこを見て判断するでしょうか。

「キャラの組み合わせ(相性)」「両キャラのいる場所と距離」「キャラの状態(攻撃モーション中か、硬直中か、ガード中か、やられ状態か…etc.)」「残りストック数」「蓄積ダメージ」などの情報が判断に役立つことでしょう。
これらの情報を利用して、「1枚の画像からどっちが試合に勝ちそうか予想するAI」のようなものも作ろうと思えば作れるはずです。
(ここでは便宜的にプレイヤー間の実力差に関する事前情報を無視しています)

じゃあボンバーマンはどうか?

ボンバーマンの試合中に撮影したスクリーンショットにはどういう情報が含まれているでしょうか?

アイテム差の無いギンギンパワーの場合、「位置取り」以外の情報がほとんど無いことにすぐお気づきでしょう。(繰り返しですが、プレイヤーの名前とかは無視)

もちろん1セット単位で考えれば、それまで何ラウンド取ったかという話もありますが、ボンバーマンは各ラウンドで毎回全てリセットされるので(スマブラのストックなどとは違う)、1ラウンド単位で有利不利を考えるべきでしょう。

ボンバーマンには残りHPがありません(ライフ2制は別)。こいつらは元気な状態から突然昇天します。
また、キャラの状態の種類も少ないです。ドクロや特殊能力系を除けば、ピヨり状態、ボム持ち上げ状態、あとはいくつかの短い硬直状態くらいでしょう。ガードなどはもちろんありません(余談ですが、ボンバーマンというゲームを俯瞰的に考える上で、取れる行動の種類が少なく全体的に硬直が少なく、そして即時の反撃が難しいという特徴が重要だと常々思っています)。
SBROのギンギン特殊なしならキャラ差もアイテム差もありません。

ピヨなどの特殊な状態を除けば、その瞬間の有利不利を決める要因は位置取りしかないのです。
そしてピヨらされるかどうかも結局位置で決まる。
というか、位置取りの定義に要素を全部 “詰め込んだ” というべきでしょうか。

なんだかんだと御託を並べましたが、要はこういうことだと思います↓

位置取り≒その瞬間の有利不利を決める(ほぼ)全て

※めっちゃ細かい補足
「位置取り」をボムなど関係なしに純粋にステージのどこにいるか(絶対的な座標情報のみ)という意味で使う方もいるかもしれません。下に引用するヨシミツ先生講座でも「位置取り、爆弾やプレイヤーなどの周囲の状況」と書いてるので、厳密にはは位置取りはそっちの意味で使われているのでしょうか?
個人的には、絶対的な座標という意味だと「良い位置」という言葉がほぼ「中央」で言い換え可能なので、意味が明瞭である反面、独立した概念とみなす意味が薄まるためあまり望ましくないという意見です。自分の定義でも「位置が良い」がほぼ「有利」と同義になるので悩ましいのですが、なんかボンバーマンの試合でシンプルに「有利」とか「不利」とかの表現を使うことってまず無いし使ったら違和感あるので(多分、かなり高速で状況が変わっていくから?)、アイテム差ある状況なら意味の違いも生まれてくるので、まあ自分の考える定義でいいかなって思っています。

良い位置ってどこ?その位置だと何が嬉しいの?

有利位置を決めるキーワードを二つだけ挙げるとすれば、多くの上位プレイヤーが「中央」と「先行」を挙げるのではないでしょうか。
順番に考えてみたいと思います。

中央を取りたい理由

1vs1のボンバーマンが中央有利というのは太古の昔から言われ続けている原則のようです。
その筋ではガチ勢必読書として名高いヨシミツ先生講座の図がわかりやすいですが、中央は包囲されにくい(1キャラを囲むのにより多くのボムが必要である)点で生存しやすいと考えられます。
これは蹴り投げパンチ誘爆の有無にかかわらず、旧BOでもSBRやSBROでも一緒のはず。

そして、上のヨシミツ先生講座にもサラッと書いてありますが、「逃げるルートの数が違う」というのも中央の有利性を考える上で重要そうです。
言い換えれば、可能な選択肢の数が多いのが中央であると言っても良いようです。
今年8月にあった桃太郎カップ2021では、解説役のusagiさんによる初心者向けレクチャータイムがあったのですが、そちらにも中央の方が「選択肢が多い」という表現が。
↓時間指定再生 4:27:50

トッププレイヤーが生で語ると説得力がすごい。

行動の選択肢の話でいけば、ステージの最中央に近ければ近いほど、壁から距離がある分、数秒後まで考えた時にとれる選択肢が広がってより好ましいという結論になりそうです。

先行したい理由

先行というのは、「相手の先を行く」という意味です。
「相手の先」とは、相手が行きたい場所(目的地点)があってそこに向かって移動しているとき、相手とその場所の間のどこかに立っていれば「相手の先」にいることになりますね。

これは視覚的にイメージを掴む必要がある気がするので、先行の具体例が豊富そうなシェイクさんのブログの記事を貼らせていただきます(丸投げ)

本当は2018年にシェイクさんが放送で喋りながら先行について説明してた動画を貼りたかったのですが、アーカイブ見られなくなっていたので断念!

【2021.11.27 追記】
なんとシェイクさんのご厚意で過去のアーカイブを再び見られるように!シェイクさん、ありがとうございますーー!!!
というわけで「先行」(+「二個置き」による妨害etc.)について端的にわかりやすく実演しているこちら↓のアーカイブは必見です!!(時間指定再生 1:14:18)

「相手の行く先」と中央の関係性に注目!

ボンバーマンは移動しながらボムというすり抜け不可の障害物を「置く」ことができる上に、道が極限まで狭いので、相手の行く先に立つことがめちゃくちゃ強くなるのも道理でしょう。
相手に邪魔なボムを蹴らせるorパンチさせる(時間を使わせる)、というやつですね。

以下もう少し込み入った話になります。
難解であれば好きに読み飛ばしてください。

相手の行きたい「先」は多くの場合、安全性の高い中央だったりするので、中央と先行は密接に関連しています。(端側の人が先行していることも勿論ありますが)

むしろ、中央云々よりも包括的に位置取りの有利不利を説明できるのが先行という概念かもしれません。
関連して、くるぶしさんは位置取りと先行性を本質的には同じものと見なす説を出されていました。
興味深い…!

↑連続ツイートのあくまでも一部抜粋です

さてそれほど重要な「先行」の話なのですが、先行とは別の位置取り有利要因もあるというのが個人的な意見だったりします。

一例として、割と細かい話ですが、「デスサイズを外せるor外せない位置取り」があります。略称欲しい。

一瞬ですが、こちらの動画(時間指定あり)から実例を見ることができるかと。

バイパーがボムを上に蹴った後左の通路に1マス進んで止まったのですが、緑ボンの下側に投げたボムを使ったデスサイズでバイパーが燃えてしまいました。
仮に蹴った後右の通路に隠れていれば、投げボムに対しては1マスキックなどで外せたので、これも生存に関わる位置取りの問題と言えます。(この手の話が「位置取り」と表現されることは少ないですけどね)

※ちなみにこれはバイパーが上に投げてから蹴った時に手前の爆炎への誘爆が間に合っていれば左に避けて良かったと思います。数フレームの差で正しい位置も変わってくるので繊細ですね。

そもそも投げデスサイズの間合いで止まらないことも大事ですね。
投げの間合いを外すために二列分端側の位置へ行くべきシーンも多いです。

そして、SBROでは特に、パンチや投げの間合いに入るかどうかも超重要な位置取りの問題です。
せっかく先行していても後ろからパンチを当てられたら台無しですからね。
パンチ関連の位置取りの話は、また別の記事でいずれ色々考察したい気がしています。
十字路のボムを挟んで向かい合う形とか、「天王山」とパンチの関連とか…考えたいことがいっぱいありすぎる…

とまあそんな感じで、位置取りで中央と先行は大事だけど、細かいことを言えば色々あるよという話です。
逆に細かい色々があるからこそ、中央・先行状態でもたくさん負けたりして疑心暗鬼になることもあるかもしれませんが、タイマンの基本は中央・先行が有利ということは信じ続けて良いかと思います。基本は、です。

最後に

初回からめちゃくちゃ書きすぎた!(汗
ってことで一旦締めます。
一応「位置取りって何?」に対する自分なりの最低限の回答は示したつもりです。
ここまで読んだ上で、最初の方に書いた定義をもう一度見れば、初心者の方でもきっと言わんとしてることを理解できる…といいな…
それでもよくわからない方は、強い人としばらくタイマンで戦えば、「不利位置に追い込まれる感覚」は嫌でも味わえるはず…!

この記事の続きも近日中に書きたいなって感じです。
他にもまだまだ引用しなきゃいけない記事もあるんですよ。到底これだけでは終われない。
↓今なんとなく考えてる内容

  • 有利位置の法則化はどこまで可能か
  • シリーズで異なる位置取りの重要度
  • 「位置取り重視()」を辞めたい話

ではではまた。

2件のコメント

  1. 記事の内容もさることながら、参考になる文献のリンクが豊富にあってありがたいです。

    1. shibyuuさん、どうもありがとうございます!
      こだわりポイントに目をつけていただいて嬉しいです笑
      このゲーム、歴史が長いだけあって先人たちの蓄積も豊富なので、なるべくそこにリンクさせながら今後も考察していきます-_-b

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