「位置取り」ってそんなに単純じゃない

こんにちは、パワポです。

前回の記事に続いて、位置取りの話をしていきたいと思います。

前回の話を要約すると↓みたいな感じですかね。

  • 位置取りとはそもそも何か?
    →いろんな要素(キャラ位置、ボム、その他)の総体で、現状の有利不利を決めるもの。
  • 有利な位置とは?
    →「中央」「先行」が代表的。他にも細かい種々の位置の有利不利はある。

今回はもう少しつっこんでいきます。
先に注意しときますが、長い上にまあまあマニアックです。お覚悟を…

有利位置を見分けるためにどうするか

最初からちょっと退屈な話題かも、、

前回、「位置取りの定義」を知りたいのではなく、「有利な位置がどこか」をみんな知りたいよね?的なことを書きました。
そして、有利位置の基本となる二大原則「中央」「先行」を紹介しました。

じゃあ、その二つをベースにして、他の諸々の要素を考慮した一種の計算式のようなものを準備すれば、誰でもその式を使って各位置の有利レベルをパッと計算できるようになるでしょうか?

あくまでも個人的見解ですが、答えはNOですね。
言い換えれば、位置取りの有利不利の法則化には限界があると思います。網羅することが非常に難しい。
頑張って色々な要素を挙げてチェックリストみたいなものを作ったとしても、人が実戦の中で一瞬で使うには長すぎるものになるでしょうね…

何が言いたいかというと、残念ながら位置取りの有利不利は、実戦の中で養う「感覚」によって判定されるものであり、言語化されたルールは常に後付けの理論でしかない、つまり初心者が楽な座学で位置取りマスターする道はまず無い、ということです。うーむ。

自分が書きたいだけのたとえ話
ある画像に猫が映っているかどうかについて、機械でも判別できるように法則を書き出していくことはほとんど不可能です。(色が白い、丸い顔がある、三角の耳がある…要素が多すぎるし、状況によって変わるものも多すぎる)
それと同じで(そこまでじゃないかもだけど)、位置取りの法則を書き出すのは難しい。でも学習した人なら、見れば分かる。なんで分かったか、言語化は後付けでできたりできなかったり。そういうものです。
人間も人工知能と一緒で、完全に法則ありきで学習するより、法則自体を学習した方が早いんですよね…。

じゃあどうすんの?
なるべく早く位置取り理解したいんだけど?
という人へ。

前回も紹介したヨシミツ先生講座やusagiさんのレクチャーとも被りますが、「選択肢が狭まっている感」というのを対戦中にあなたが感じているとしたら、それは不利位置状況に立たされている可能性が高いので、意識してみると良いかもしれません。
ちなみに、把握力不足で選択肢が狭まっている可能性もあります。その辺はしっかりじっくり見直して検討したいところ。

そして、毎ラウンド負けたごとに、凡ミスで負けたのか、徐々に詰められていったのか振り返って、後者であれば「どこから詰められていく感覚があったか」(≒どこから不利になっていったか)ということを確認しまくる作業が大切だと自分は考えます。
やっぱり録画の見直しが一番おすすめですね。

そんな感じで、位置有利不利のヒントに対してアンテナを張りまくって、なるべく敏感に情報をキャッチして学習効率を上げていくのが唯一の王道である、という個人的見解でした。
このブログの内容とかもそうですが、言葉による説明は、あくまで自分の感覚をサポートするものとして捉えたいところですね。

シリーズで微妙に違う位置取り

一見全然別の話なのですが、ここでボンバーマンの各作品間の位置取りの違いについて軽く触れておきます。

自分は「対戦!ボンバーマン」(以下対ボンと略します)というスマホアプリのボンバーマンをやっていたのですが、そちらは今作のSBROや前作のSBRと違い、「中央」の重要性が低かったと思っています。(あと「先行」もちょっと低いかな?)

包囲する側が圧倒的に大変なゲーム

上の試合の22分ごろからの応酬などは一例になるかもしれません。

一番左の画像、黒ボンが中央側に位置しています。
赤ボンはパワーグローブを持っておらず、パンチグローブに関してはそもそも対ボンには存在しないので、赤ボンからこれといった迎撃手段もなく、位置取りは黒ボン有利に見えます。

直後に黒ボンが十字路のボムを右に蹴りました。ボムは一瞬赤ボンの右側に流れていくように見えるのですが…
蹴ったボムは一瞬遅れて、黒ボンから見て手前の十字路に何故か巻き戻り、その上赤ボンに微妙に先行される形になっています(右から2番目の画像)。
一番右の画像では、赤ボンが端の通路で爆風を避けています。対ボンでは、この位置の赤ボンに対してこの状況下で追撃するのは相当厳しいし、黒ボンがこの後位置を維持するように動くのも大変だったりします。

パンチが無いこと、投げが3マスしか飛ばないこと、補助が全体的に硬直長めなこと、キックストップが無いこと、補助アイテムが少ないこと、同期ズレが激しいこと、ボムを6個までしか置けないこと、などなどあらゆる理由で中央から相手を包囲する手段が非常に限られていたのが対ボンでした。
位置取りとして端っこを避けるべき理由の第一が「囲まれやすい」というものでしたが、包囲の難易度がこれでは中央>端の優先度がさほど大きくならないというのも必然でしょうね。

これは色々あるボンバーマン作品の中のほんの一例ですが、一般に言えることとして、各作品の細かい仕様のあれこれで位置取りの話も結構変わってくる、というのはあると思います。

この話は一旦ここまでで、今作の話に戻りますが、「何ができるか」で位置取りの考え方が変わるということは、この後の議論の割と本質に関わってきます。

浅い「位置取り重視」で終わりたくない

はい。そう思っています。

この辺の話は今年の秋口ごろから1人でモヤモヤ考えていたものなのですが、とある配信にて、現在ボンバー界における唯一のプロプレイヤーであるドリヤさんからアドバイスを頂いたことをきっかけに、自分の中でよりシャープに考えられるようになってきた気がします。
具体的には、中央という場所が絶対的なものではなくなったような感覚の変化などがありました。

これに関して、もう少し詳しく、3つの視点から自分の考えを書いてみます。
長文です。。

※以下はかなり意見が分かれる内容も含む気がするので、(特に初心者の方は)あまり鵜呑みにしない方がいいかもです。

1.その位置が有利かどうかなんて、簡単には決められない

「その一瞬の有利不利を決めるのが、位置取りである(だから位置取りは大事である)」

と前回書きました。
この理屈に従うと、逆に次のようにも言えてしまいます。

「仮にある一時点での有利不利がさほど偏っていないとすれば、その位置取りに有利不利は無い」

これはまたいずれ別に掘り下げたいのですが、ボンバーマンというゲームはキャラの能力さえ同じであれば有利不利がなかなかつきにくいですし、ついたとしても有利側が展開を維持しにくいゲームであると自分は思っています。
ある程度力のある相手に対しては、一度端に追いやっても、よほどの形でなければ、詰めきったり、端に居続けさせたりするのは至難の技でしょう。
極論、最善の動きをする相手に対しては、展開維持などということは原理的に不可能なのかもしれません。(読み合いベースの運ゲーにすらならないかも、という意味です)

有利な位置、不利な位置というものが存在するのは間違いありません。
ですが、当たり前の大前提として、有利不利の程度は、状況によって大きく異なります。
そして、このボンバーマンというゲームは、多くの人にとっては不利に思えるような状況でも、強者なら難なく活路を見出してしまうということがよくあるのです。
どちらかが確実に有利であると判断できる(≒お互いが最善に動く前提での詰み筋やそれに近い展開が想像できる、もしくは生存のために要求される操作・判断コストが片方だけ明確に高いと考えられる)局面以外については、仮にどちらかが明らかに中央に立っていたり、明らかに先行していたとしても、「本当に有利なのか?」「どれくらい有利なのか?」と考える姿勢を持ち続けるべきだと自分は思います。

中央にいるから有利が約束されるのではなく、有利をとる手段として中央に行く、という考え方を持ちたいところです。

2. 生きやすい位置は中央。じゃあ攻めやすい位置は?

中央が囲まれにくく逃げ道も多いというのは前回も紹介した通り。
ボンバーマンを生存のゲームとして見るとすれば、中央は魅力的です。

一方、相手を攻撃するゲームとして見るとどうでしょうか?

以下リンク先の、シェイクさん→めあさんのインタビューの中では、包囲(相手を囲んで詰ませる攻撃)の優位性からも中央が有利であるというお話が出てきています。

ここでは相手への攻撃と自分の生存は切りせない話として扱われていると思いますが、何にせよ中央は相手を包囲する上で有利と言って良いと思います。
そしてそれは仕様が旧ボンバーマンオンラインから大きく違っている今のSBROギンギンでも恐らく変わりません。

しかし、ため蹴り、連蹴り、L字蹴り、蹴りデスサイズ等々の技(細かい技の紹介は今回割愛します)が強い現環境では、実は端も攻めの位置取りとして優れうるという仮説を自分は持っています。

例えば、ため蹴りって、蹴りたいボムを挟んで相手と反対側に立たないと相手を直接刺せないですよね。
蹴り技の選択肢をとるために、中央にいる相手に対して、自分の位置を一旦端側に退かせるのも有力な選択肢です。
さっきもリンクを貼ったこちらの配信で見られたドリヤさん(黄ボン)の攻めのワンシーンを見てみると…

hashi01

黄ボンが通路から上に2個ボムを投げ、すぐ左手にある程度溜まったボムを控えている、というこの局面。
この当時の自分は「まず中央に行く」という発想を持っていたので、黄ボンの立場に立つとすれば、中央に向かって左上へ進んで、バイパーと中央の取り合いをすることを一番に考えついていたと思います。(ちなみにバイパーは当然?この後中央に進みました)
さて実際の展開はというと…

hashi02hashi03hashi04hashi05

溜まったボムを左にキックからの一歩下がって上方向への連蹴りデスサイズでした。
こちらとしては予想していない動きに見事に刺されてしまいましたね…。
黄ボンが下端側に一旦ラインを下げたからこそ、意識外を突いた攻撃が可能になったわけですね。
もちろんこれはバイパーが詰む形ではないのですが、黄ボンからはデスサイズに誘爆させる形で上へ向けた連ロナなどの選択肢もあり、仮に避けられてもほとんど不利にもならないと思います(多分)。

ということで、中央に立つことが攻めの必要条件と考えがちだけど、作品の仕様によっては端側から包囲とは別タイプの攻撃も全然いけるし(今作もそう)、やっぱりどこが位置有利かって一概に言えないじゃんっていう話にまたも帰ってくるのでした。

おまけ:この話って、「本当の攻撃とは何か?」(このフレーズもめあさんのインタビュー記事からのパクリで、心の中でよく思い返すやつ)っていう問いにつながってくると思うんですよね。いかにも攻撃らしい攻撃だけが攻撃じゃない。

3. 位置取りの前後を含めたプロセスを大事に

結局行きたい場所があってもそこにワープできるわけじゃないですからね、このゲーム…
しかもギンギンは足が遅い。相手の通り道さえ予測できれば、パンチを当ててピヨらせて即死させるのも簡単です。

どうやって良い位置を取るのか。これが大事。

ただこれについては自分はまだまだ見習い中というか、よく分かっていないのが正直なところです。
とりあえず、一目散に行きたいところに行くのは、特に相手が近い場面では相当危ないっていうことだけは確かのようです。
この辺はパンチに対する避けのフェイントとかの動きの考察をいずれ試みる際に、もう少し触れたいと思っています。

関連して、「位置取りのテクニック」を4項目(ボムを置く、移動、フェイント、連鎖外し)でまとめた、あぷさんのブログ記事も紹介しておきます。
これのPart2の方は私の理解もまだ追いついていないレベルの高さですが、とりあえず色々とテクニックがありうることは感じ取れるはず…!

そして、位置をとったら、じゃあ何をするか。

以前の自分は、包囲の技術も無いまま、そもそも中央に立つこと自体が目標になるような考え方をしていたので、なんとなく中央からパンチの連打とかをして圧をかける”ふり”をする動きが多かったような気がしています。
でもそれだけじゃ苦労してとった中央も持ち腐れですよね。
むしろ中央に行くまでにかけるコストの方が大きくなって、負け越してしまうかもしれない。

自分が取りたい位置は、緻密な包囲を構築するためのものなのか、先行して相手を足止めするためのものなのか、はたまたそこから少数のボムを駆使して相手を翻弄するプランがあるのか…
試合中には全てを考えきれないので、時々立ち止まって自分の動きの傾向を分析してみるべきな気がしています。

有利位置の活かし方については、もっつさんから書くように圧をかけられたので、またそのうち追加で考察してみたいと思っています!

また書き過ぎた…

本当はこんなに書きたくないんですけど、つい書いちゃうんです。長くてすみません。

要は、位置取りって難しいねって話でした。

今後書く全ての考察に関わる土台の話ということで、開幕から二連続でがっつり位置取りについて考えてみました。

次回以降はしばらく短くて済む簡単な話題がいいかもなーとか思っています。……これもフラグかも。

ではではまた。

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